金融の古代史②（バビロニアの金融）

2024年3月3日

紀元前2000年頃のバビロニアは、メソポタミア文明の中心地の一つであり、金融活動においても重要な進展がありました。この時代のバビロニアの金融は、特に「ハンムラビ法典」によって大きく発展しました。以下、バビロニアの金融について詳しく説明します。

ハンムラビ法典と金融活動

ハンムラビ法典の導入: 紀元前1754年頃に成立したとされるハンムラビ法典は、世界最古の成文法の一つです。この法典には、貸借契約、預金、抵当、利息制限など、金融取引に関する条文が含まれています。
利息率の規制: ハンムラビ法典では、貸借に関する利息率に上限が設けられていました。穀物の貸借には年率33.3%、銀の貸借には年率20%と定められ、これにより借り手の保護が図られました。
抵当と担保: 法典には、借金の担保として土地や財産を使用する規定もありました。借金が返済できない場合の土地や財産の没収、さらには借り手やその家族の奴隷化に関する規則も定められていました。

金融取引の記録と管理

取引の記録: バビロニアでは、金融取引を粘土板に記録することで、契約の詳細を明確にしていました。これらの記録は、契約の当事者間での紛争を避けるために重要な役割を果たしていました。
預金と融資: バビロニアでは、寺院や王室が金融機関の役割を果たすことがあり、預金の受け入れや融資の提供を行っていました。これにより、貿易や農業、建設事業など、さまざまな経済活動が支援されました。

バビロニアの金融の影響

紀元前2000年頃のバビロニアにおける金融活動は、ハンムラビ法典によって法的な枠組みが整備されたことで、より組織的で安全な取引が可能になりました。利息率の規制や抵当に関する規則は、後の金融システムの発展に影響を与える重要な要素です。また、取引の記録と管理に関する方法は、契約の信頼性を高め、金融市場の発展に寄与しました。バビロニアの金融活動は、経済だけでなく社会全体の発展にも貢献し、その影響は後世にも広がっていきました。

まとめ

紀元前2000年頃のバビロニアでは、金融活動が「ハンムラビ法典」によって大きく発展しました。この法典は、利息率の上限設定、抵当と担保に関する規則、貸借契約の法的枠組みなど、金融取引に関する包括的な条文を含んでいました。バビロニアの金融システムでは、寺院や王室が金融機関の役割を担い、預金の受け入れや融資の提供を通じて経済活動を支援していました。これらの取引は粘土板に記録され、契約の信頼性と透明性が保証されました。ハンムラビ法典による法的枠組みの整備は、後の金融システムの発展に重要な影響を与え、経済だけでなく社会全体の発展に貢献しました。