金融の近現代史②（大恐慌と世界大戦を経た、国際金融システムの再構築）

2024年3月10日

20世紀前半は、大恐慌と二度の世界大戦によって、国際金融システムが大きな試練に直面し、その後の再構築を余儀なくされた時期です。以下に、この時期の重要な出来事と国際金融システムの再構築について説明します。

大恐慌（1929年～）

開始と影響: 1929年にアメリカの株式市場が崩壊したことで始まった大恐慌は、世界中に波及しました。多くの銀行が破綻し、企業が倒産し、失業率が急上昇しました。
金融政策の失敗: この時期、多くの国が保護主義を採用し、金本位制からの離脱や競争的な通貨切り下げを行いました。これらの措置は、国際貿易の縮小を招き、世界経済の回復を遅らせました。

第二次世界大戦とその影響

経済の動員: 第二次世界大戦は、多くの国で経済が戦時体制に移行したことを意味しました。戦争の資金調達のため、各国は巨額の国債を発行し、中央銀行がそれを購入することで通貨を発行しました。
戦後の疲弊: 戦争が終結した後、多くの国が経済的な疲弊状態にありました。特にヨーロッパの復興は、巨大な資金が必要であり、新たな国際金融システムの構築が求められました。

国際金融システムの再構築：ブレトンウッズ体制

ブレトンウッズ会議（1944年）: 1944年にアメリカ合衆国ニューハンプシャー州のブレトンウッズで開催された国際会議では、戦後の国際金融秩序の再構築に関する合意が成立しました。この会議で設立されたのが、国際通貨基金（IMF）と国際復興開発銀行（世界銀行）です。
固定為替レート制度: ブレトンウッズ体制の下では、各国の通貨はアメリカドルに対して固定され、アメリカドルは金に対して固定されました。これにより、国際貿易と投資の安定化を目指しました。
経済復興と成長: この体制は、ヨーロッパや日本の経済復興を支援し、戦後の数十年間にわたる世界経済の安定成長を促進しました。

まとめ＆結論

20世紀前半の大恐慌と世界大戦は、世界経済に甚大な影響を与え、国際金融システムの根本的な再構築を引き起こしました。ブレトンウッズ体制の確立は、戦後の国際金融秩序の基盤となり、経済の安定と成長をもたらしました。この体制は、1971年のニクソンショックによって終焉を迎えますが、その後の国際金融システムの発展に大きな影響を与え続けています。